小室被告が弁済するための資金は、エイベックスの社長が個人で全額を貸し付けたもののようだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000539-yom-soci
小室被告、6億円弁済…エイベックス・松浦社長が貸し付け
3月12日12時39分配信 読売新聞
音楽著作権の売却話を巡る詐欺事件で、詐欺罪に問われた音楽プロデューサー・小室哲哉被告(50)の第2回公判が12日、大阪地裁(杉田宗久裁判長)であった。
弁護側が、詐取金全額を含む計約6億4800万円を被害者である兵庫県芦屋市の会社社長側に弁済したことを示す証拠を提出。小室被告がメンバーのユニット「globe」が所属する「エイベックス・グループ・ホールディングス」(東京)の松浦勝人社長(44)が個人で全額を貸し付けたことも明らかになった。
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産経新聞が第2回公判の詳細を記事にしているが、いわゆる小室ブームについて語られており、ファンならずとも興味深い内容だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000537-san-soci
《前回の初公判では、検察側が冒頭陳述や証拠書面の朗読を通じ、小室被告の罪状を述べるとともに、転落の経緯をつづった。この日の第2回公判では、対する弁護側から、小室被告の音楽グループ「globe」が所属する「エイベックス・グループ・ホールディングス」の松浦勝人社長(44)と千葉龍平副社長(44)の2人が出廷。小室被告の音楽界における功績など情状に関する証言を行う。小室被告は初公判で起訴事実を認めており、公判の焦点は量刑に移っているだけに、情状証人2人の証言は重要だ》
(中略)
裁判長「それでは書証を提出してください。その上で、証人2人ですが、1人が松浦さんと、もう1人が小室被告が居住し、監督しているとされる千葉さんですね。どちらが先ですか」
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小室被告は、エイベックスの副社長の下に身を寄せているようだ。
(続き)
弁護人「エイベックスは、小室さんとの間でどのような仕事をしていましたか」
松浦社長「当初は、私どもは洋楽をやっていてほとんど邦楽はやってなかったのですが、初めて小室さんと千葉副社長の3人で手がけ、ダンスブームを作り、TRFらを送り出しました。(小室被告とは)四六時中、一緒でした」
弁護人「小室さんの会社への貢献はどうでしたか」
松浦社長「私どもが上場する3、4年前は、売り上げに占める小室さんの割合は70%を超えていました」
《希代のヒットメーカーだった小室被告は一時、会社の屋台骨を支える存在だった。しかし、2人の関係は次第に疎遠になっていった。1997(平成9)年ごろから共に手がける仕事は減っていったという。その原因は、小室被告側の“変化”にあったと指摘する》
弁護人「なぜ疎遠になっていったんですか」
松浦社長「1992年ごろ、TRFがデビューしたころは四六時中、一緒にいました。しかし、小室さんのスタッフの入れ替わりが激しくなり、小室さんの収入も増えて他のレコード会社との契約が増えていきました。新しいスタッフは正直、合わなかった。それに、小室さんも傲慢(ごうまん)なところが出てきた。これ以上の付き合いは難しいと感じました」
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率直な意見が出ている。なぜスタッフの入れ替わりが激しくなったのか、どのように傲慢になったのか、具体的な内容が知りたいところだ。
次の記事では、支援の内容が語られている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000544-san-soci
弁護人「小室さんを支援しましたか」
松浦社長「しました」
弁護人「どのように」
松浦社長「お金を貸しました」
弁護人「弁済費用ですか」
松浦社長「はい、そうです」
弁護人「具体的にはどういった支援ですか」
松浦社長「3月10日にお金を振り込みました。元本の5億円と慰謝料が1億円、そして、遅延金5000万円の計約6億5000万円です」
(中略)
弁護人「大きな金額ですが、支援の動機は」
松浦社長「小室さんは保釈後に(千葉)副社長の家にいて、いろんな話をしました。迷惑をかけたこととか、音楽の話です。そして、ある日、ピアノを弾きたいと小室さんが言い出した。副社長の家にはピアノがなく、会社が経営するレストランにはグランドピアノがあるので、閉店後に連れて行きました。小室さんは朝までそのピアノを延々と弾き、メロディーを奏でた。そのとき、『この人は本当に音楽が好きなんだ』と思い、一緒に音楽を作った昔のことを思い出しました。音楽を知らない僕たちに教えてくれたのは小室さんだった。小室さんがいなければ今の自分も会社もなかった。ELTやEXILE、浜崎あゆみ、倖田來未なども小室さんなしには生まれなかった。小室さんは僕の恩師です」
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小室被告との関係は、エイベックスという会社の歴史でもあるのだろう。
さらに松浦社長の証言は続く
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000549-san-soci
検察官「小室被告の財政が逼迫(ひっぱく)しているのは知っていましたか」
松浦社長「はい」
検察官「当時、どう聞いていましたか」
松浦社長「スタッフからお金に困っているという話を」
検察官「事件前後に、小室被告サイドから証人にお金を貸してほしいとの申し入れはありましたか」
松浦社長「事件の前ですか」
検察官「ではまず、事件の前はどうですか」
松浦社長「ありましたが、貸せるスタッフがいなかったのでやめました」
検察官「スタッフがいないとは」
松浦社長「僕たちが信頼できるスタッフがいなかったということです」
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ファンの中には、小室被告が困っているという話を聞いていたならば詐欺行為を行う前に助けるべきだったのでは、という意見もあるかもしれない。また、小室被告はなぜ犯行前に松浦社長に援助を仰がなかったのかという疑問もあるかもしれない。その答えがこの証言である。松浦社長は、小室被告の周りにいるスタッフが信頼できないからお金を貸さなかったようだ。
(続き)
(中略)
検察官「大きな事件になり、裁判になってからお金を貸そうとしたのはなぜ」
松浦社長「スタッフが一掃され、僕たちがスタッフとして参加できることが分かったからです」
検察官「事件はすべて、周りの人間のせいだと思いますか」
松浦社長「すべてとは言いませんが、僕たちと一緒に仕事できるタイプの人たちではありませんでした」
検察官「小室被告自身がそういう状況を作ったとは思いませんか」
松浦社長「小室さんというネームバリューやお金に寄ってきた人たちのようにしか見えませんでした」
検察官「証人自身が変えようとすることはなかったのですか」
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松浦社長が信頼していなかったスタッフは一掃され、小室被告の周辺はヒット曲を出していた頃に戻ったと言えるのかもしれない。
(続き)
(中略)
裁判長「CDを作らなかったのは、小室被告の才能が枯渇したわけではないのですか」
松浦社長「枯渇というより、経済が逼迫していればクリエイティブな仕事をするのはお金に追われていればできません。自分にも経験がありますが、小室さんも同じだと思いました」
(中略)
裁判長「小室被告は裁判中に楽曲を作っていますか」
松浦社長「保釈されてから何曲か作っています」
裁判長「証人の目からみて使い物になりますか」
松浦社長「非常に期待しております」
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松浦社長は、小室被告の才能が枯渇したとは思っていないようだ。クリエイティブな仕事は経済的に苦しい状況では出来ないと考えているから、今回お金を出したように思われる。ただ、裁判長も小室被告の才能の枯渇に関心があるように見える。
千葉副社長も松浦社長と同じ考えのようだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000555-san-soci
弁護人「再び事件に関与するという点についてはどうですか」
千葉副社長「僕はないと思っています。一緒に住んでいるが、心の変化とか反省の仕方とか深く感じている。自宅でピアノやギターの前で音楽を作っている姿勢を見ると、才能は落ちていないし、これからも花が開くと思う。今までいた周りの人間が一掃されたのも大きな要因。エイベックスも小室さんのやることを応援し、経済的にも支えられると思います。今後このようなことがないことを確信しています」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000564-san-soci
裁判長「音楽の専門家からみて、被告と疎遠になった後は、曲作りなどに変化はありましたか」
千葉副社長「疎遠になった後、曲や詞のクオリティが下がってきたなと思いました」
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小室被告が作り出したブームは、日本の歌謡曲の歴史に残るものであったと思う。その始まりと衰退の背景が、このような形で語られるとはブームの当時は予想できなかったが、最初にも書いたように小室被告のファンならずともこの事件の公判内容は、興味深いものであるように思う。また、音楽史のみならず、成功した時に周りにどんな人間集まってくるかも参考になる。
第2回公判で明らかになった事実のうち、小室被告のファンにとって良かったのは、被害者の納得があるかはわからないが被害額の弁済が一応なされたこと、小室被告の周辺環境がヒット曲を連発していた時期に戻りつつあることであろう。これで執行猶予が付き、才能の枯渇が本当になければ、再び小室ブームがやってくるかもしれない。